八王子に都庁多摩本部を!

 私は以前から、市民の皆様に「多摩の独立」を訴えています。荒唐無稽と思われるかもしれないが、私は本気です。これまで都政では、多摩地域の政治家が自民党から共産党まで判を押したように訴えてきたのが、「多摩格差の是正」という言葉でした。要するに補助金を持ってくるということです。しかし、そうした補助金頼みの「下請け政治」では、いつまでたっても多摩や八王子はよくならない、というのが私の考えです。

 ご承知のように、もともと多摩は明治29年まで神奈川県に属していました。それが東京の水がめを確保するということで東京に編入され現在に至っています。歴史的に見ても、23区とは異なる背景を背負っています。自然条件や、経済状況も異なっていますし、23区と多摩を「東京」という1つの概念で括ることに、そもそも無理があります。

 石原都知事は、就任以来めざましい政策を打ち出してきました。しかし皆様にちょっと考えてもらいたいのですが、こと「多摩政策」に限ってみると、石原都知事に何か言うべき政策があっただろうか? 全くないのです。それどころか、多摩ニュータウン事業からの撤退や、日の出町ゴミ処分場の強制代執行、圏央道推進など、役人に言われるがままに規定路線を進んでいます。多摩は石原都知事の弱点で、おそらく多摩のことがよく分からないのだろうと思います。いずれにせよ、石原都政は多摩には全く顔を向けていない、ということが言えるのではないでしょうか。

 しかし私は、石原知事に「どうか多摩のことも考えて下さい」などと頼むつもりはありません。それでは従来の「下請け政治」と同じになってしまいます。「自分たちのことは自分たちで決める」これが自治の基本です。地方分権を求め国と闘う石原知事は応援しつつ、同時に、東京都から多摩への、市町村への分権化を石原知事に求めていく―これが私の一貫した戦略であり、「多摩の独立」という主張なのです。

 独立するには拠点、すなわち「地方分権の砦」が必要です。そこで新宿のマンモス都庁を分割して、「都庁多摩本部」を八王子に設立する。ハコモノづくりか、と思われるかもしれませんが、別に首長のモニュメント作りではないのだから、空いているビルで間に合わせれば十分でしょう。大事なことは、「多摩支部」ではなくて「多摩本部」をつくるということです。つまり都庁の出先機関ではなく、独立多摩のセンターとして機能するものでなくてはなりません。そして、各市町村がそれぞれ特色を生かした独自のまちづくりを行う中で、都庁多摩本部が広域行政のコーディネートを行うのです。

 一方東京都は、市区町村にどんどん分権化をすることによって、自分の贅肉を落としていく。都庁多摩本部の設立で、新宿のマンモス都庁は空きオフィスがさらに増えるだろう。それを民間に貸し出していったらどうでしょうか。現在、都庁の維持は都財政の大きな負担となっています。メンテナンス等で年間50億はかかっているでしょう。都庁のスリム化と民間貸出しによる賃貸料収入は、都の財政にとっても大きなメリットです。一石二鳥とはこのことです。

 多摩の独立・市町村への分権化は、一極集中是正という観点からも有効です。中央集権の「中心」をただ移すだけでは意味がありません。一極集中の是正は、莫大な公共事業につながる首都機能移転ではなく、市町村へのさらなる分権化によって行うべきです。そのことがまた、個性ある多様なまちを生み出すことにつながるのです。